― 2026年上期を振り返り、下期へ向かうために ―
2026年6月26日、C-POWERグループは全体研修・全体報告会を開催しました。
上期(1月〜6月)に何が動き、何が課題として残り、そして下期に向かって組織の気持ちをどう揃えるか。その場での私の言葉を、ここに記します。
今日は、評価の場ではなく、気持ちを合わせる時間。
私は毎年、上半期の終わりにグループ全社員を集める場をつくっています。
ただし、その場は「成果の発表会」ではありません。数字の優劣を並べて順位をつけるための時間でもない。
「現在地を社員と共有し、下期に向かって気持ちを揃えるための時間」として設計しています。
成果は数字、変化は人。
なぜそうするのか。それは、数字が変わるより先に、人が変わるからです。
現場で起きている小さな変化——「選べる」が増えた、「言える」が増えた、「やる」が早くなった——こうした変化は、数字に出るまでに時間がかかります。
でも、確かに起きている。
それを見落とさないために、全員で同じ景色を持つ時間が必要なのです。
私の原点は、「選ぶことができなかった人生」にあります。
この話は、毎回の全体報告会で必ずお伝えしています。
なぜなら、新しく仲間になった人もいるし、聞いたことがあっても、時間が経てば薄れていくものがあるからです。
私は生まれながらに障害があり、18年間親元を離れて施設で暮らしました。
生まれた時代の制度によって、どこで暮らすのか、誰と生きるのか、どう生きていくのかを、自分で決めることができなかった。
「選ばない」のではなく、「選べない」。
挑戦しないのではなく、「挑戦する場所にすら立てない」。
その状態が当たり前として与えられていたのが、私の現実でした。
だから私は、同じ思いをこれ以上、誰にもしてほしくなかった。
その願いが、後から振り返ると、C-POWERグループのはじまりになっていました。
「自立」を、再定義する。
私たちのミッションは、「頼れる先を増やし続けて『自立』する」です。
よく誤解されますが、「自立」とは一人で何でもできるようになることではありません。
一人で何でもできることは、自立ではなく孤立です。孤立は必ず不安を生み、やがて孤独につながります。
頼れる人、頼れる場所、頼れる仲間——それを増やし続けることが、私たちの考える「自立」です。
だからC-POWERグループは、孤立も孤独も、絶対につくらないし、絶対にさせない。
理念は、額に飾るものではない。
日々の選択である——「やるのか、やらないか」。その問いに毎日向き合い続けることが、私たちの仕事です。
上期に、動いたもの。
2026年の上半期、C-POWERグループ各社ではこんなことが動きました。
SMC-POWERでは、デザイン・Web・DX顧問・広告運用の組み合わせ提案を強化し、新規受託と既存顧客への提案拡充を進めました。
C-POWERでは、TRIDとABivanが協力して食品サービス事業を立ち上げ、C-fanカフェをオープンしました。「通りすがり」が「つながり」に変わる場所を目指して。
LiC-GiOでは、就労選択支援「セラ」の新事業所を開設。相談支援・就労継続・就労選択・定着が連動し、当事者の「次の一歩」が複線化しました。特定技能実習生の採用も進めています。
そして私自身が上半期に取り組んだことは、大きく4つです。
OHACO18株式会社の設立、ブログ開設とSNS発信、C-fanカフェの開設、そしてC-fan相談室の設立準備。
なぜこれらに動いたのか。その根本にあるのは、一つのことです。
福祉が身近にあると、人は安心できる。安心があれば、人はもっと自由になれる。
私たちが乗り越える、4つの壁。
上半期は「動けた」と言える半期でした。ただし、課題は正直に並べたい。課題は、次の挑戦の地図だからです。
一つ目は、人財育成の「型」を全社で揃えること。
育成の方法が、まだ事業会社ごとにバラついています。誰が入っても、どこに配属されても、同じ温度で育つ「C-POWER流」の育成型を確立することが課題です。
二つ目は、スピードと確実性の両立。
動きながら考える文化はある。ただ、確実に届ける筋肉はまだ鍛え途中です。「即断・即決・即実行」を習慣にしていく必要があります。
三つ目は、「発信」を私たちの強みに変えること。
良いことをしているのに、社内にさえ十分に届いていない。一人ひとりが自分の言葉で語れる組織になれば、社内に届いたものは社外にも届きます。
四つ目は、新社屋建設——信頼を、形にしていくこと。
数字・実績・志の三位一体で、社会から「ここに賭けたい」と言ってもらえる集団を目指しています。
壁があるということは、まだ伸びしろがあるということ。
私たちの動かし方——AITOサイクル。
C-POWERグループには、組織の回し方として「AITOサイクル」があります。
Action(決断し、行動する)→ Input(学び、習得する)→ Training(鍛錬し、強化する)→ Output(発信し、創造する)——そしてまた次のActionへ。
上半期でいえば、就労選択支援「セラ」の体制整備や新規顧客への複合提案が「Action」。法改正対応研修や取引企業との情報交換が「Input」。現場での実践と振り返りが「Training」。そして本日のこの全体報告会が「Output」です。
サイクルが回る組織は、止まらない。そして止まらないためには、リーダーが腐ってはいけない。
たいてい、どんなモノでも頭から腐る。
会社の挑戦は、まず私自身の挑戦から始まる——それが私の信念です。
下期、私たちが向かう先。
2026年下期(7月〜12月)は、上期に積み上げたものをさらに深める半期です。重点テーマは3つ。
α:人財育成を、共通の型にする。
AITOサイクルを共通言語とし、各事業会社のOJTを統合し、教える人を増やします。
β:関係を、深く・広く。
応援企業445社との関わりを「点から面へ」。利用率・通所率を持続的に向上させます。
γ:「発信」を、外に向ける。
明朗・愛和・喜働を自分の言葉で社外に届け、頼れる先をもう一段増やします。
そして見据える先は、2032年の「一万人企業」。社員・障害当事者・応援者の総和で一万人。今の現在地(社員119人、当事者488人、応援460社)から、着実に積み上げていきます。
AIは、使うもの。つかわれるものでは、ない。
今回の全体報告会では、社員へのメッセージの一つとして、AIとの向き合い方についても触れました。
AIは、最大の創造力で使い倒す側に立つ道具です。人にしかできない判断と、AIにできる作業を、一人ひとりが切り分けられる組織でありたい。
判断をAIに預けてしまえば、組織は古くなります。
決めるのは、いつでも人。AIは、決断を加速させるためのペンと紙です。
挑戦している姿そのものが、私たちらしさで、美しい。
最後に、全社員へ届けたかった言葉を、ここにも記します。
成果が出ているから挑戦するのではない。
挑戦しているから、結果として成果がついてくる。
本当の挑戦は、否定されることから始まります。全員が賛成する挑戦は、たぶん挑戦ではない。
理想と現実の衝突こそが突破口であり、反対の数だけ、未来の輪郭はっきりしていくものです。
迷ったら、Missionに戻ってください。「頼れる先を、増やしているか?」という問いに、Yesと言える選択を。
変化を、楽しんでください。
変化を、人生をもっと、楽しみましょう。

